教員紹介
専門分野の異なる所長と6名の客員教員が、皆さんの学習をサポートします。月1、2回のセミナー、講演会、学習相談を行っています。セミナーは在学生のほか、一般の方にも開放しています(一般の方は1セミナーのみ参加可能です。在学生はすべてのセミナーに参加できます)。参加希望の方は電話か窓口で申し込んでください。日程はトップページ「滋賀学習センターからのお知らせ」でご確認ください。平井 肇(ひらい はじめ)
所長/スポーツ社会学、健康・スポーツ科学
私は学部では歴史学を、大学院では社会学を専攻しました。前任校では、体育学と国際理解教育に関係する教科を担当していました。一見すると「支離滅裂」(?)で、「どんな関連性があるの」とよく不思議がられますが、私なりに一貫性はあると思っています。私にとって研究の対象は常にスポーツとその周辺に関わることで、文化としてのスポーツの意味やスポーツと社会の関係を、時代や地域を越えて考えてみたいという姿勢で教育・研究・社会活動に取り組んできました。
スポーツをすることはもちろん、観ることも、読むことも、語ることも、スポーツに関わることなら何でも大好きで、私にはスポーツに関係することなら何でも研究のテーマになり得ます。2023年度は、スポーツに関するセミナーを担当し、世界各地に根付いてきたいろいろな種類のスポーツの歴史と現状について見ていきます。
◆【スポーツ文化論セミナー】世界のスポーツや身体活動から学ぶ
近代スポーツの誕生と普及、伝播、受容の歴史的過程と、現代社会におけるスポーツの社会・文化的な意義と役割について、比較文化論と地域研究の視点から分析・考察します。スポーツ好きがスポーツについて気軽に語り合う場です。
伊藤 美樹子(いとう みきこ)
地域看護学、医療社会学
学生時代、ドイツ語の名詞には性別があることを初めて知り、その区別に難儀し、文法をやっと理解して教養課程を終えた身もわきまえず、大学院の入試対策のために難易度の高いドイツを学ぶという動機で、私も単位履修生として放送大学のラジオ講座で学んだことがあります。テーマはワイマール憲法。よく挑戦したなあと思います。
これから滋賀キャンパスでお会いするみなさんもそれぞれの目的や動機をもって受講されることと思います。私が担当するセミナーでは、主に健康や生活に関する厚生労働統計を一緒に読み解く予定です。多様な年齢や人生経験をお持ちの方が集まる学びの場である放送大学だからこそ、ご参加の皆様と共に味のあるセミナーにしていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
◆【保健学セミナー】公的統計から読み解く健康のすがた
保健医療・福祉に関する統計データの経年変化や地域間比較から、現代人の健康のすがたや地域としての健康課題を参加者の皆さんと一緒に読み解きながら考えたいと思います。
荻田 純久(おぎた よしひさ)
教育心理学/臨床心理学
客員教員を拝命したのが、新型コロナ感染症パンデミックが始まった年でした。この3年間を振り返ると良くないこともありましたが、日々の中で楽しみを見つけ、時間を味わいながら生きていくようになった気がしています。コロナ前であれば、特に楽しいと思っていた訳ではないものであっても、今では楽しむことができています。朝の家族との会話、朝食に始まり、通勤途中の草木、空、大学での講義など、多くの経験を楽しみ、生を実感するようになったと思います。もちろん、放送大学で担当させて頂いているセミナーでの皆さんとの出会いも私の大きな楽しみです。一緒に論文を読み、同じ時間を共有する。研究者の端くれである私にとって、これほど素敵な時間はありません。セミナーでお待ちしています。
◆【心理療法の基本セミナー】心理療法を俯瞰する
心理療法に関しては、過去においても現在においてもさまざまな立場、理論、技法などが存在します。心理療法の未来はどうなるでしょうか。本セミナーでは、心理療法の基本について考えていきたいと思います。
※こちらのセミナーはオンライン(ZOOM)で開催されます。
糟野 潤(かすの めぐみ)
電気分析化学
本年度から客員教員を務めさせていただきます。専門は電気分析化学で、水溶液中に何がどれくらい溶けているのかを電気化学的に調査しています。必要に応じて、電気化学分析に必要な電極も作製しています。第一学期は「基礎化学セミナー(生活の中の化学)」を行う予定です。化学の研究成果が身近な人間生活に果たしている役割を、いくつかの具体例を通して学びます。身の回りに存在する化学物質の成り立ちを理解する上で必要不可欠である原子の構造や電子配置、周期表との関係についても理解を深めます。また、簡単な演示実験を通して化学の世界を楽しんでもらいたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
◆【基礎化学セミナー】生活の中の化学
身近な生活の中に化学は深く関わっています。化学の基本である「元素の周期表」が完成する前から、化学の研究は盛んに行われてきました。演示実験にいくつか取り組んで、化学の世界を楽しんでください。
川中 大輔(かわなか だいすけ)
社会学
社会が大きく変化する中で、20世紀社会につくられた多くの仕組みが十全に機能しなくなっていることは既によく知られていることです。では、全ての人々が幸せにいきていくためには、どのような仕組みを新たに創り出していけばよいのでしょうか。この問いに対して社会学的に探究し、具体的な動きを構想していく社会デザイン研究が私の専門です。特に市民社会からのイノベーションに関心を寄せており、現在は社会イノベーターと呼ばれる人々の成長過程に関する研究に取り組んでいます。
今年度のセミナーでは、現代社会の具体的な課題を取り上げながら,新たな社会秩序の構想について考えていくこととします。
◆【社会デザイン研究セミナー】21世紀社会デザインの展開
現代社会をどのように変革していくことが求められているのか。本セミナーではこの問いに対して、社会的排除やジェンダー不平等などの具体的な社会問題を取り上げながら、目指す方向/方法を検討していきたい。
京樂 真帆子(きょうらく まほこ)
日本古代史
今年度も客員教員を務めさせていただきます。
専門は、日本古代史、特に平安貴族社会や平安京に関する研究です。セミナーでも、『栄華物語』を読みながら、平安時代の貴族が何を考え、どう行動したのかを明らかにしていきたいと思っています。
『栄華物語』は、女性である赤染衛門が(少なくとも前半部分は)執筆したとされる歴史書ですが、日本文学研究からのアプローチが主流で、歴史学者は活用に苦慮している作品です。あらためて読み直してみますと、男性貴族が残した史料からは読み取れないような歴史像が浮かび上がってきて、多角的な物の見方こそが歴史を豊かにするのだな、と実感しています。
◆【栄華物語を読むセミナー】女性の視点からみた平安時代史
『栄華物語』は、平安時代約200年間の貴族社会の様子を、仮名を使って物語風に描いた歴史物語です。前半部分は、赤染衛門が執筆したと言われています。その物語を歴史学研究の立場から輪読していきましょう。
三ツ石 郁夫(みついし いくお)
近現代ドイツ経済史
専門はドイツ経済史です。産業革命や西南ドイツの地域経済、そして戦後の地域金融や中小企業史などを研究しています。まだ西ドイツだった時代に留学して以来、たびたびドイツに滞在し、地域に残される多くの歴史の舞台や近代化の遺産を見学してきました。書物で読んだ歴史の舞台などを自分の足で訪れ、それぞれの時代が抱えた問題に思いをめぐらせることはたいへん興味深いことです。歴史は、「現在と過去との間の尽きることのない対話」(E.H.カー)と言われます。セミナーでは、過去の時代の理念や思想、利害状況とそのもとで生きた人々の日々の営みを振り返りながら、現代に生きる私たちとの間で対話をしたいと思います。
◆【欧米経済史セミナー】現代経済システムの起源を探る
現代資本主義に特徴的な資産の運用や商品生産のあり方は、世界史的にみれば中世から近代のヨーロッパに起源を求めることができます。なぜ他ならぬヨーロッパで生成したのでしょうか。講義と討論を交えて考えます。