教員紹介
専門分野の異なる所長と6名の客員教員が、皆さんの学習をサポートします。月1、2回のセミナー、講演会、学習相談を行っています。セミナーは在学生のほか、一般の方にも開放しています(一般の方は1セミナーのみ参加可能です。在学生はすべてのセミナーに参加できます)。参加希望の方は電話か窓口で申し込んでください。日程はトップページ「滋賀学習センターからのお知らせ」でご確認ください。太田 善之(おおた よしゆき)
所長/財務会計論
私は大学における経済学部のゼミ生時代より、財務会計論を勉強してきました。学生時代の指導教員がドイツ会計学を研究されてきた先生なので、その後指導の下、私自身もドイツ会計学を専門としています。ただ今や、何でもアメリカ流の考え方が主流を占める日本において、この研究はマイナーな部類に入るかもしれません。しかし、財務会計論自体はたとえば資格にかかわる内容でもあります。私も、かつて大学入試センター試験時代には「簿記」の問題作成にかかわり、また平成年間には公認会計士試験における「財務会計論」の試験委員を務めました。
いわゆる簿記・会計にかかわる知識は、企業(会社)の発信する情報を理解するための一種の「言語」です。したがって、その意味や文法を知らないと、発信された情報が分からなくなります。私が担当するセミナーでは、1つの教養として簿記・会計の知識を、できる限り平易に説明したいと思います。
◆【会計学入門セミナー】「言語」としての会計の知識を学ぶ
日本経済新聞などを読むとき、会社が外部に財務情報を公開する際の「言語」として使う簿記、会計学(財務会計論)の基礎知識を理解します。1つの教養として、会計学の見方、考え方の一端を理解しましょう。
糟野 潤(かすの めぐみ)
電気分析化学
昨年度に引き続き、本年度も客員教員を務めさせていただきます。専門は電気分析化学で、水溶液中に何がどれくらい溶けているのかを電気化学的に調査しています。必要に応じて、電気化学分析に必要な電極も作製しています。
第一学期は「基礎化学セミナー(身の回りの化学)」を行う予定です。化学の研究成果が身近な人間生活に果たしている役割を、いくつかの具体例を通して学びます。身の回りに存在する化学物質の成り立ちを理解する上で必要不可欠である原子の構造や電子配置、周期表との関係についても理解を深めます。また、簡単な演示実験を通して化学の世界を楽しんでもらいたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
◆【基礎化学セミナー】身の回りの化学
身近な生活の中には化学が深く関わっています。化学の基本である「元素の周期表」が完成する前から、化学の研究は盛んに行われてきました。演示実験にいくつか取り組んで、化学の世界を楽しんでください。
金 宇大(きむ うだい)
東アジア考古学
本年度より客員教員に着任いたしました。宜しくお願い申し上げます。
就任のご挨拶でも書かせていただきましたが、私の専門は考古学です。古代の「日韓」交流について、両地域で出土する出土品の比較研究からアプローチしています。
こうした細かな考古学の研究に取り組む一方で、大学では世界遺産をめぐる諸問題を取り扱った授業も担当しています。世界遺産登録が始まって50年近くが経ち、すっかり人口に膾炙した「世界遺産」ですが、その登録や保存をめぐっては様々な「歪み」も生じています。今年度のセミナーでは、特に文化遺産の問題に関して、航行学的な視点に寄せて考えてまいります。
◆【文化遺産額セミナー】考古学からみる文化遺産の諸問題
本授業では主に考古学にかかわる視点から、世界遺産に登録されている様々な文化遺産を具体的に取り上げつつ、これらと関連する様々な問題について解説を加えていきます。
田中 英明(たなか ひであき)
政治経済学
本年度より客員教員を務めさせていただきます。専門は政治経済学で、決済・信用機構を中心に市場の組織化のあり方を理論的・歴史的に研究しています。
セミナーでは、日本経済の現状や課題について日本や世界の様々な統計データを確認しながら、時間的・空間的な比較など、できる限り多面的に学んでいきます。これまでの財政・社会政策や金融政策の功罪を問い直しつつ、時にはマルクス『資本論』やスミス『諸国民の富』などの古典にも取り組んでみたり、ポラニーやグレーバーらの人類学や社会学などの知見をちらっと眺めたりと、寄り道や遠回りをしながら、日本社会の将来を考えていきましょう。
◆【日本経済論セミナー】日本の経済社会の現状と課題
少子高齢化の中、日本経済は「失われた30年」とも呼ばれる低迷を続けてきました。金融や財政の推移、社会政策や働き方改革の現状を振り返りながら、明るい展望に向けた課題を考えていきましょう。
森 太郎(もり たろう)
園芸学・農業教育
本年度も客員教員を務めさせていただきます。専門は園芸学、農業教育です。
食料生産の現場では、安定生産、環境負荷の低減、食の安心・安全性の確保、品質向上、省力化などが求められています。また教育現場では、植物の栽培を通した情操教育、科学教育、食・農・環境教育が期待されています。上述の観点から主に野菜を対象として、栽培技術の開発や品質評価、教育プログラムの開発を行い、その成果を食料生産や教育の現場に還元することを目指しています。
本年度のセミナーでは、身近な作物の生理・生態や栽培技術について学んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
◆【栽培学セミナー】夏野菜の生理・生態と栽培技術
実際にご家庭で畑やプランターを使ってナスの栽培を行ってもらいます。皆さんの栽培体験を持ち寄り、夏野菜の生理・生態と栽培技術について学んでいきましょう。
伊藤 美樹子(いとう みきこ)
地域看護学、医療社会学
学生時代、ドイツ語の名詞には性別があることを初めて知り、その区別に難儀し、文法をやっと理解して教養課程を終えた身もわきまえず、大学院の入試対策のために難易度の高いドイツを学ぶという動機で、私も単位履修生として放送大学のラジオ講座で学んだことがあります。テーマはワイマール憲法。よく挑戦したなあと思います。
これから滋賀キャンパスでお会いするみなさんもそれぞれの目的や動機をもって受講されることと思います。私が担当するセミナーでは、主に健康や生活に関する厚生労働統計を一緒に読み解く予定です。多様な年齢や人生経験をお持ちの方が集まる学びの場である放送大学だからこそ、ご参加の皆様と共に味のあるセミナーにしていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
◆【保健学セミナー】
健康・病気と保健・医療の分野における問題を、行動や生活、家族や集団、職場や家族、制度・政策との関わりや社会・文化の影響から考えてみたいと思います。
吉川 悟(よしかわ さとる)
臨床心理学
今年度より客員教員を拝命しました吉川悟と申します。専門は、臨床心理学なのですが、正統派ではなく、近年になって注目されるようになった「関係者支援」という新たな学問領域です。
昨今の社会情勢に激変に伴い、人との関わりで生じるトラブルの解消に向けての対応や、近親者や知人のメンタルヘルス不調にどのような支援ができるかなど、当事者ではない人からの働きかけによる変化を目指す心理療法です。詳細は、セミナーなどを通して、援助場面を想定した対応についてお話しできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。
◆【関係者への心理的支援セミナー】関係者支援の入り口から応用まで
引きこもりなど、本人への支援が困難な場合、それを解消するための「関係者支援」について、基礎から応用まで紹介します。
※こちらのセミナーはオンライン(ZOOM)で開催されます。