所長ご挨拶
放送大学学習センターの第7代所長として2023年4月より勤務しております。それ以前の2022年3月までは島根大学法文学部で文化人類学の研究・教育に携わってきました。学生時代・大学院時代を除くと、ずっと島根県民として生涯を過ごしてきました。
私が島根大学を退職する直前の2020年に生じたコロナ禍は、人びとの交流のあり方、とりわけ学習形態や勤務形態に大きな影響を与えてきました。コロナが5類に移行したとはいえ、完全にコロナ禍が収束したわけではなく、特に人口比で感染者の割合が全国的にも高い島根県では、予断を許しません。
しかしこうした状況においても、学びたい、知りたいという気持ちさえあれば、いつでも・どこにいても、自分の好きな時間に好きな場所で学ぶことができるのが放送大学です。BSテレビ・ラジオを通じて行われる放送授業、インターネットによるオンライン授業を行って学生の皆さんに学びの場を放送大学は提供しています。しかしそれにとどまらず、全国57カ所に設置されている学習センター・サテライトスペースで開催される対面型の面接授業も実施しています。
放送大学は、「生活と福祉」「心理と教育」「社会と産業」「人間と文化」「情報」「自然と環境」の6つのコースからなる教養学部教養学科の単科大学ですが、人文科学・社会科学・自然科学から複合科学までを学ぶことができます。
島根学習センターの在学生は、令和6年度1学期で、女性が約55%、年代別では40代を中心に10代から50代までの現役世代が約73%という割合になっています。10代20代の学生が増加しており、また現職の教員や看護師の方たちがキャリアアップを図ろうとする傾向も見えています。
このような放送大学での勉学に意欲をもつ皆さんをサポートするために、島根学習センターには、履修科目の選び方、放送授業の聞き方・学び方などについて相談に応じてくれる4名のサポーターがいます。また6名の客員教員がいて、授業の疑問点や卒業研究の進め方と指導、大学院進学などの相談にのっています。適切なアドバイスを受けられると思います。
コロナ以降の世界はそれ以前と決して同じではなく元に戻ることはできないと2020年には言われていました。どのように世界になるのか、これから私たちはどう生きていくべきかを、時流に流されず冷静に考えようとする学生の皆さんの学びを、島根学習センターはサポートしていきます。どうぞよろしくお願いします。
2024(令和6)年4月
島根学習センター 所長/特任教授
出口 顕(でぐち あきら)