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放送大学
宮城学習センター

所長ご挨拶

2025年4月1日をもちまして放送大学宮城学習センター所長に就任することとなりました、八鍬友広と申します。これまで新潟大学に23年、東北大学に13年勤めてまいりましたが、この度、東北大学を退職し、本学習センター所長に着任することとなりました。

私の専門は、日本教育史です。日本で、学びと教育の歴史がどのように展開してきたのかについて研究してきました。放送大学もその学びの歴史の1頁を飾るものに他なりませんが、私が主として研究してきたのは、江戸時代から明治時代にかけての学びと教育の歴史です。江戸時代と明治時代とでは、学びの在り方が大きく異なりました。江戸時代には、民衆を対象とした公的教育制度がほぼ存在しなかったということがもっとも大きな特徴です。それにもかかわらず、江戸時代の社会には無数の「学校」といってよい教育の組織がありました。これらは、もっぱら人々の自発性にもとづいて営まれていたものでした。それがどのようなものであったのか、明治期にそれがどう変わっていったのかということを研究しております。

さて、『論語』という書物の中に、よく知られる次のような言葉があります。これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず、というものです。なにかを学ぶ際、これも好み、これを楽しんで学ぶ者に及ぶ者はないという意味です。じつに真実であると言えるでしょう。残念ながらわが国では、学ぶことに「勉強」という語があてられています。強いて勉めること、つまり、いやなことを我慢してやるのが学びだと考えられているわけです。学ぶことがこのようなものととらえられているのは、とても残念なことですね。

放送大学は、学びに対する学生の自発性がきわめて高い学園であると私は考えています。「勉強」ではなく、まさにこれを好み、これを楽しむ行為として学ぶことを成就させていっていただきたいと願っております。放送大学教職員一同、その実現のために力を尽くしてまいりたいと思います。

宮城学習センター所長
八鍬 友広

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