2025年度第1学期卒業生からお寄せいただいたアドバイスやメッセージ
在学生や入学を検討されている方々へ、2025年度第1学期卒業生から、アドバイスやメッセージをお寄せいただきました(かな順)。
「とちの実1月号(No.139)」にも掲載いたします。
***********************************************
卒業生代表挨拶
立花千枝子 様 (人間と文化コース卒業)
本日は、私たち卒業生のために「学位記授与式」を設けてくださりありがとうございます。卒業生を代表いたしまして心より感謝申しあげます。
最初に私事で恐縮でございますが、昨年12月に20年以上も難病と闘い続けてきた兄が亡くなりました。元気なスポーツマンだった兄が、最後は話すことも動くことも困難になってしまった過酷さを考えますと、遠方とはいえ、思うように見舞いに行ってあげられなかったことへの後悔に辛さも加わって、放送大学の勉強を止めてしまいました。このまま、もう終わりしようかという弱い気持ちになりかけておりましたが、それでも、何とか再開しようと考えているうちに、あと1教科科目を追加して全部合格すれば卒業要件が満たされることに気が付きました。そこで、もう一度オンライン授業の授業料を払いなおして同じ科目を再受講し、放送授業は追試験を受けることにし、新規の科目も追加して再開いたしました。卒業という、目の前の目標に向かったことで放送大学の勉強に戻ることができました。
放送大学は突き進むだけではなく、私のように立ち止まってしまった者へも門戸を開いてくださっています。そして、オンライン授業やWeb受験は、こういう時、外出せずに家のなかで自分のペースで出来るのでとても助かりました。また、追加したのは新設科目だったのですが、一度中断してしまった勉強にむかう心と体を復帰させることはなかなか困難でしたので、放送授業の視聴のほかに教科書を1単元から15単元まで音読で通読して、次は15単元から1単元までを後ろから音読し、また1単元から15単元まで音読するという方法を繰り返しました。いわば学習再開のリハビリテーションでした。家族はさぞかしうるさかっただろうと思います。温かい協力に感謝しております。
「人間と文化コース」で学んだのですが、特に印象に残った科目は、オンライン授業の「全体主義と新自由主義のあいだ」でした。全15回1コマごとのレポート提出と最終レポート提出があり、これには計画表を作成して取り組みました。そして先生からの1コマごとの採点と丁寧なフィードバックがありましたが、手厳しいご指摘もあり自分の見識不足を痛感しました。また、交流フォーラムも盛んで、授業が終了してからも投稿が続き、全国のご学友の方々の考えかたにも触れる機会ともなりました。もう一つは、私にとってリハビリテーションとなった「数学の歴史」でした。遥か昔紀元前6世紀頃にはすでに人々が真理を探求していて科学知が生まれたこと、それが現代につながっていることを知り、力になりました。まさに私にとってリハビリテーションにピッタリの科目となりました。
このような学習ができる機会を一度は手放そうとしてしまったのですが、放送大学にはたくさんの科目があり、学ぶべきことが尽きないことに気が付きました。世界の中には、女性が勉強したいと行動しただけで銃撃されてしまった状況もあります。学ぶことは、生きることに不可欠なもので、人としての権利でもあります。放送大学は、このように、学ぶことができる喜びや希望を提供して維持してくださっています。放送大学と先生方や職員の皆様方に感謝いたしますと共に、放送大学で学ぶことができたことに誇りをもっていきたいと思います。
***********************************************
「人新世」に生きる我々
粕谷 忠良 様 (人間と文化コース卒業)
コロナ禍が始まった2020年に念願の学卒に向け入学、家業の都合で行きたかった大学進学を断念していたのですがコロナ禍の今だと決意し入学しました。当初は放送・オンライン授業がメインでした。コロナ禍が収まってきた頃から面接授業が始まり宇大・茨大で受講させて頂きました。
講義の中で特にグローバル化が進展した今日の世界・「人新世」時代と文化人類学に関心を持ち、自然と人間・自文化と他文化・人間と非人間・戦争と平和等などの二元論を地球規模で考察させて頂きました。それから地球環境に於いては産業革命以前と以降に色々な角度から我々の取組をどう考えて行かなければならないのかも考えさせられました。地球の普遍性と多様性を学び、未来を変えていく事ができるかと思います。共に取り組んでいきましょう。
在籍中はサークル・ゼミ等にも参加してみたかったですが仕事の都合上できず残念でした。余裕のある方はぜひサークル・ゼミ等に参加してみて下さい。多くの教授・学友に接する事もできるかと思います。
在籍中は多くの方々にお世話になり有難う御座いました。感謝申し上げます。
***********************************************
「放送大学を続けてしまう罠」
上月 守 様 (心理と教育コース卒業)
気が付くと今回で教育学部卒業が3回目となっていました。もう生活スタイルの一部になっている感覚です。半年サイクルの繰り返しが続く。お金と相談しながら授業科目決めて申込み、ビデオの録画セット、中間レポート調べてWeb報告、期末試験に向けて過去問題の整理と教科書チェック、そして緊張の50分カウントダウンWeb試験、終われば結果を首を長くして待つ。もう何回繰り返したか忘れました。しかし、いつも新鮮なのは面接授業ですね。今回心理と教育コースだったので、東京文京学習センターに行ったり地元の栃木学習センターに行ったり、心理学実験を中心に受講し、他の学友の皆様と一緒に思い出深い学びを体験しました。またそのレポートは小論文形式だったので大変有意義な授業でした。次の科目案内が届くと無意識に新幹線の切符を買う感覚で申込んでいました。間違いなく私は「放送大学教」の信者ですね。
***********************************************
放送大学で心理学を学ぶことを決意。
関 幸子 様 (心理と教育コース卒業)
私は放送大学に2023年の4月に心理と教育学科へ3年次編入をしました。
現在64歳。12月には65歳になります。
高校卒業後、短大の教育学科に入学し幼稚園と小学校の免許を取り、幼稚園に5年間勤務。その後は音楽教室の講師になり、結婚後は自宅で生徒さんを教えていました。
子育や親の介護などが終わった2020年。コロナが発生した年に小学校の臨時教員の仕事を行うことになり、その時に教育相談も担当しましたが子どもたちにどう答えてあげたらいいのか?と悩みました。
その2年後に市の女性相談支援員として相談業務を担当し「心理学を学ぼう。」「心理士になりたい。」と思い、放送大学への入学を決意しました。
相談業務の仕事で私は驚きの現実に直面しました。不登校、引きこもり、家庭内不和、離婚、DV、ひとり親家庭、貧困などがすぐ近くでたくさん起こっているのです。今まで私は、みんな悩みがあっても平和に生活している人がほとんどで、そんなことはネットでの世界のことぐらいに考えていました。
もっとちゃんと心理学を勉強していろいろな人の話を傾聴できるようになると決め、まずは認定心理士の資格を取ろうと必要な科目を履修しました。
卒業した今は、自分にできることから始めようと傾聴ボランティアのグループに参加しています。
仕事をしながら勉強をするのはやはり大変でしたが、土、日の休みを使って放送授業を聴きました。放送授業は、どの科目もとてもわかりやすく楽しく勉強することができました。面接授業では受講者の年齢層も幅広く、高齢の方もとても熱心に学習に取り組んでいることに驚き、自分も頑張らなくてはと勇気をもらいました。この年になって若い頃の学生時代の何倍も勉強をしたなと思います。
年齢に関係なく学びたいことを学べる放送大学は素晴らしいです。いくつになっても挑戦することができるので、多くの方々にお勧めしたいです。今後は臨床心理士になることを目標にして大学院を目指したいと思っています。


