2024年度第2学期卒業生・修了生からお寄せいただいたアドバイスやメッセージ
在学生や入学を検討されている方々へ、2024年度第2学期卒業生・修了生から、アドバイスやメッセージをお寄せいただきました(かな順)。
「とちの実7月号(No.137)」にも掲載いたします。
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「自由な学びがくれた自信」阿部 尚樹 様(自然と環境コース卒業)
私にとっての放送大学は、通信制ならではの自由な環境で、周りと比較することなく、自分のペースで学びを深められる特別な場所でした。その中でテストやレポートに取り組み、好きな分野を追求できた経験は、かけがえのない財産になりました。
一方で、自由だからこそ、自己管理能力が求められる場面もあります。モチベーションを保ったり、スケジュールを自分で管理したりするのは、時に難しいと感じることもありました。それでも、その困難を乗り越えて目標を達成した喜びは格別でした。自分の力でテストやレポートをやり遂げた経験は、学ぶ姿勢や計画力に対する大きな自信へと繋がりました。
放送大学で過ごした時間は、私の成長の支えになっています。本当にありがとうございました。
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「憧れた大卒からの意外な展開」粟野 幸子 様(心理と教育コース卒業)
国勢調査の記入時に最終学歴が高卒なのは、家族の中で私だけでした。
時代が平成から令和に変わるタイミングで何かしようと思い立ち、長年憧れていた「大卒」の肩書きを手にするため放送大学に入学しました。
学食が食べたい、学割の恩恵を受けたい、NHKホールの卒業式に袴を着て出席したい、そんな志の低い名ばかりの大学生です。
平均点の高い科目を選び、3年目半ばにはゴールが見える楽勝の道を歩みました。
しかしこのまま要領よく単位を取るだけでは何かが違うと、孫の誕生を機に保育士資格を取得しました。
なまぬるい思考を変えてくれたのは、面接授業での昼休みのおしゃべりです。
世代を超えて同じ学生同士、入学のきっかけや勉強方法、おすすめの授業など、お互い情報交換をしながらエールを送る貴重な時間が、私ももう少し頑張ろうという気持ちにさせてくれました。
無事に当初の目的の達成後は、残り5コースの制覇、各々二年の最短でという目標を立て、現在3コース目を継続しています。
「教養」が身につくまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、「今日用」のある学生生活をこれからも楽しんで続けたいと思います。
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「可能性を広げてくれた放送大学に感謝を込めて」大村 恵 様(心理と教育コース卒業)
この度5年かけて心理と教育コースを卒業しました。お世話になった皆様に感謝申し上げます。
入学のきっかけは、ある人生に起きた困難に家族や私自身が心の危機を経験したことでした。何か糧を得なければとの思いで学び始めました。
放送大学で一番良かったことは、素晴らしい先生方から教わることが出来たことです。知識だけでなく生き方やものの考え方にも多大な影響を受けたと感じます。また、WEB単位認定試験や附属図書館の自宅配送サービスなども、子育てと勉強を両立する上で非常に助かりました。
在学生の皆様には卒業研究の履修をおすすめしたいです。指導教授にご指導いただき、代え難い学びを得ることが出来ました。さらに、口頭試問や栃木学習センターの発表会では示唆に富む意見や指摘をいただき、大変貴重な機会を経験させていただきました。
The Open Universityはまさに可能性に開かれていると感じます。私は今、新たな目標を模索しながら放送大学大学院で選科履修生として学び続けています。
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「放送大学の4年間」金田 隆行 様(社会と産業コース卒業)
高校時代は歴史や文学に興味がありましたが、様々な事情で大学へは行けませんでした。好きなことを勉強したかったなぁという思いを抱いていました。そんな矢先、たまたまラジオアプリで聞いた放送授業が非常に面白く、放送大学への入学を決めました。
文学と歴史を勉強したかったので、所属コースは人間と文化。歴史はせっかくなので人類の誕生、地球、太陽系や宇宙の誕生まで遡り学びました。世界の歴史、文化、政治や国際関係にも興味が増え、気が付いたら様々な科目を取り、4年で卒業となりました。
卒業研究をやりたくなり、この春、社会と産業コースに再入学。放送大学は学びたいことはどこまでも幅広く学べる事が魅力です。国際関係などはまさに「今」の事を学べます。
栃木学習センターは宇都宮大学図書館と同じ建物も魅力です。他の大学図書館も、利用登録をすれば使えます。面接授業は栃木だけでなく、隣県の授業にも行っています。様々な出会いもあり、興味もどんどん広がっています。
いずれ大学院で修士論文にも挑戦しようとか、これまでは予想もできなかった自分になる事ができました。一度は卒業しましたが、今後もずっと大学生でいようと考えています。
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「20年越しの夢をかなえて」小林 美由紀 様(文化科学研究科臨床心理学プログラム修了)
私はこの度、放送大学大学院臨床心理学プログラム修士課程を修了いたしました。栃木学習センターの職員の皆様には、多大なるご支援をいただきました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
修士選科生として単位を取得し、約2年間の受験勉強を経て、幕張のセミナーハウスで臨床心理学プログラムの先生方と初めてお会いした際は、感無量の思いでした。働きながら修士全科生としての生活を送ることは覚悟しておりましたが、それは決して容易な道のりではありませんでした。特に、M2になると、毎月のオンラインによる研究指導と臨床心理実習が並行して進みます。何よりも心身の健康を保つことに留意しながら、修士論文を書き上げることを目標にしました。
時には不安がよぎることもありましたが、オンラインで遠方に住む同期と語らい、励まし合うことで支えられました。そして、修了後も臨床心理学プログラムのつながりは深く、先生方や諸先輩方、同期の仲間と心理臨床家として学び続ける機会が設けられています。
私は公認心理師の資格を取得し、現在は教育領域の心理職として従事しております。今後は臨床心理士資格の取得を目指し、多くの人々が困難な日々の中でも心の内に希望を見出し、「自らの幸せ」を感じながら生きていく力を支えられる心理臨床家となれるよう、研鑽を積んでいく所存です。
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「4年間を振り返って」藤田 怜奈 様(心理と教育コース卒業)
私は公認心理師になることを目指して放送大学に入学しました。心理学を学ぶのは初めてだったので、内容の難しさに驚いたり、新しいことを学ぶ楽しさを感じたりしながら勉強しました。授業は放送授業が中心でしたが、面接授業では様々な方々と共に授業を受講し、刺激を受ける環境でした。
私は高校を卒業してすぐに入学しましたが、自宅で学べる授業形態のおかげで時間を有効活用でき、ベトナム語の学習という趣味を継続することができました。とは言っても、両方勉強するのは大変で、人にアドバイスできるほど心理学の勉強をしっかりできていませんでしたが、今私がこうしておけばよかったと思うことはこまめに授業の要点を他の紙にまとめ直すことです。自分なりにまとめるとさらに理解が深まり、テスト前にも大事な所だけを見返すことができたなと思います。皆さんもれぞれの勉強スタイルがあると思いますので、あくまで参考になれば幸いです。
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「ゆったりと蛇行する」古川 容子 様(心理と教育コース卒業)
知は去から未来へと一方向に流れてゆきます。ところが放送大学では、若い先生方から高齢の私たちに知が注がれており、直線の急流ではなく、大河のようにゆったりと蛇行していることが、ナイル川のように豊かな恵みをもたらしているように感じられました。
私が在学中に実感した恵みの一つは、学問と経験が結びつく「アハ体験」です。私は世界の真実に触れて得意になり、万能感に駆られて卒業研究を選択しました。しかし思考を言葉で表現するのはとても難しく、完成した論文は不十分なもので、私の万能感は打ち砕かれました。
この春、宇都宮大学大学院へ進学しました。卒業研究で知った限界は、自身の伸びしろと捉える事にしました。このポジティブ思考は、放送大学の先輩方に学んだものです。皆さんもゆったりと、ナイル川のように蛇行し、時に氾濫(?)しながら、知を蓄えてゆきましょう。