教員紹介
岐阜学習センターには、客員教員8名在籍し、 面接授業やセミナーの企画・立案・実施、学習相談等を担当しています。石田 秀治(イシダ ヒデハル)
専門分野:生物有機化学、生物生産科学、応用有機化学
2025年4月から放送大学岐阜学習センターの客員教員をさせていただく石田です。こ れまで「生理活性複合糖質の化学生物学」というテーマで研究をしてきました。この中には 3つの言葉「生理活性物質」「複合糖質」「化学生物学」が含まれています。それぞれ興味 深い内容ですが、4月からのセミナーでは「生理活性物質について」という題目でお話しし たいと思います。
生理活性物質は薬としても毒としても知られている身近な存在ですが、一方で非常に幅広い分野でもあります。一度に理解しようとしても大変ですので、構造や性質、由来、作用機序などで分類して、系統的に理解するとわかりやすいかなと思います。また生理活性物質の研究の歴史についても適宜お話しできればと思います。多くの生理活性物質研究が ノーベル賞を受賞しており、いろいろ人間ドラマがあります。どうぞ宜しくお願いします。
永山 滋也(ナガヤマ シゲヤ)
専門分野:応用生態工学、河川生態学、流域保全学
2025年4月から客員教員としてセミナーを担当する永山です。山々に囲まれた長野県から開講しますので完全オンラインですが、皆さんと共有できる時間を楽しみにしています。
2025年3月までのおよそ16年間、岐阜・愛知にて、山、川、海を駆け回って研究しておりました。専門は河川生態学です。時おり暴れる川という環境で暮らす生物の生き様と、そのメカニズムを探求する学問です。ただし川は、山、森、田畑、都市とつながっていますよね。だから、川の研究は流域を視野に入れます。こうして広がった流域内の様々な自然・環 境を見る目と経験を、セミナーを通して皆さんと共有したいと思います。今までスルーしていたものが目に留まるようになると、世界を見る目が変わります。それはおそらく、皆さんの人生をちょっぴり、いや大幅に豊かにしてくれます。
山田 敏弘(ヤマダ トシヒロ)
専門分野:日本語学
久しぶりに岐阜学習センターでセミナーを開かせていただけることになりました山田です。主に日本語、特に岐阜を中心とした方言の単語や文法、それに音声の話などをしたいと思っていますが、もともと大学ではイタリア語などを勉強していたので、外国語と比較しながらの話になると思います。
熱心に学習に取り組まれるみなさんと、また、語り合えることを楽しみにしています。
板倉 憲政(イタクラ ノリマサ)
専門分野:臨床心理学
臨床心理学と家族心理学を専門とし、主に不登校・引きこもり、DVや虐待、トラウマ等の支援を行っています。その他にも若手心理職を対象としたグループ・スーパービジョンを定期的に実施しています。家族にまつわる問題は、家族成員の対処行動(何とかしようと頑張っていること)が不幸にも問題を維持させてしまっていることが多々あります。家族心理学では、家族の既に上手くいっている対処行動やリソースなどを支援に活かしていきます。
セミナーでは、家族心理学に関する考え方を少しでもわかりやすくお伝えできればと思っています。
小嶋 智(コジマ サトル)
専門分野:地球科学
2024年4月より放送大学岐阜学習センターの客員教員を務めている小嶋です。皆さんと一緒に学問を探求することができることを楽しみにしています。
私の専門は地球科学です。我々の生活の場である地球という太陽系第3惑星を対象にした学問です。その中でも地質学、もっと狭く言うと造山論を専門としてきました。昔から人々が問い続けてきた、「山はなぜ高い?」という素朴な疑問に答えようとする学問分野です。その研究のために日本はもとより、極東ロシア、インドネシア、タイなどの環太平洋造山帯の国々、インドヒマラヤやヨーロッパアルプスなどの山脈、そして南極大陸やカナダ北極圏諸島まで足を伸ばし調査を続けてきました。最近は、高くなった山はどんなふうに壊れ、崩れていくのかということにも興味を持ち、山の一生をトータルに研究しています。私のそんな経験を皆さんと共有し、楽しく学問の第一線に触れられたらと思っています。よろしくお願いいたします。
杉山 佐由美(スギヤマ サユミ)
専門分野:老年看護学・在宅看護学
2024年4月から「地域・在宅看護論 実際の看護を踏まえて」のセミナーを担当している杉山です。
セミナーでは、在宅看護学概論の復習と共に地域・在宅看護論、実際に在宅看護を実践した経験から、教科書にないお話もしていきたいと思います。どのような健康状態であっても、自分らしく地域で暮らし続けられるよう医療・福祉・看護に関わる専門職が介在し、お互い連携・協働しながら、地域の対象の方にケアを提供しています。今回は、看護師という視点で、地域の方の生命や健康をどう守っていくのか、病院ではなく住み慣れた自宅で亡くなりたいと希望される在宅での看取りについても少し触れていきたいと思います。
また、面接授業では、在宅での看取りの実際や課題についてもお話ししていきたいと考えています。
長野 達也(ナガノ タツヤ)
専門分野:経済学(経済政策論・国際マクロ経済学)
令和4年(2022年)4月より岐阜学習センターの客員教員を務めています。専門は経済学の中でも経済政策論という分野になります。研究テーマは貿易摩擦問題です。
皆さんは、米国のトランプ大統領がほぼ毎日のように「Fake news!(ウソのニュースだ!)」とSNS発信で発信していたのをご記憶でしょうか? 確かに、トランプ氏の発言も含めて、世の中には経済学的な観点でいえば、全くの間違いとしかいえないような議論が溢れています。それがただの床屋談議で終われば実害はありません。しかし、そういったいわば「トンデモ」説に基づいて政策が決定され、私たちの生活に無視できない影響を与えているとしたら、ただの笑い話では済みません。
間違った経済常識を正す試みとしては、ポール・クルグマン(Paul Krugman)氏の著作がよく知られています。ただ、「それは間違いだ」と指摘するだけでは間違いはなくなりません。場合によっては間違いを指摘された側が感情的に反発することもあるでしょう。経済問題についての間違った主張を減らすには、「なぜ、そういう間違いが広まるのか?」を考える必要があります。
経済学を「株や為替で儲ける方法についての学問」だと捉える誤解はさすがに少なくなりましたが、どんな学問分野でも世間一般の常識と専門家の常識とは大きく異なっていると思います。もし、世間常識であらゆる問題が片付くのなら、およそ学問は不要でしょう。しかし、それでは済まないからこそ、学問は必要であり、学ぶに値するといえます。皆さんにとってこの講座が興味深く「目からウロコが落ちる」体験となるよう精一杯努めたいと考えています。
速水 悟(ハヤミズ サトル)
専門分野:メディア情報学
2021年より岐阜学習センターの客員教員を務めています。専門分野はメディア情報学です。20年近くつくばの国立研究所で音声認識の研究に従事しました。その後、岐阜大学では音声・言語・画像を中心に教育と研究を行ってきました。現在の本務先は知覚情報システム研究所です。
セミナーでは、企業の活動において人工知能技術を活用するために必要な知識とはどのようなものか解説します。その基礎として、データ分析と機械学習について、学習します。製造業における活用事例について、成功パターンと失敗パターンがどのようなものか議論したいと思います。また深層学習を中心として、最近の研究動向を紹介します。