教員紹介
岐阜学習センターでは、客員教員8名が勤務しています。 主な業務は、センター運営、セミナーの開催、面接授業企画・立案・実施、学習相談等を担当しています。板倉 憲政(イタクラ ノリマサ)
専門分野:臨床心理学
臨床心理学と家族心理学を専門とし,主に不登校・引きこもり,DVや虐待,トラウマ等の支援を行っています。その他にも若手心理職を対象としたグループ・スーパービジョンを定期的に実施しています。家族にまつわる問題は,家族成員の対処行動(何とかしようと頑張っていること)が不幸にも問題を維持させてしまっていることが多々あります。家族心理学では,家族の既に上手くいっている対処行動やリソースなどを支援に活かしていきます。
セミナーでは,家族心理学に関する考え方を少しでもわかりやすくお伝えできればと思っています。
伊東 英(イトウ スグル)
専門分野:ドイツ文学・外国語教育
ドイツ文学のかつての黄金時代であったロマン派文学を研究対象とするとともに、外国語教育(教授法)についても興味をもっています。大学ではもっぱら初級ドイツ語教育に携わり、外国語学習における日本人学習者の長所と弱点も肌感覚で理解できました。
セミナーにおいては、初級レベルを終えて実践的なドイツ語力養成を目指している方々に向けて、さまざまなジャンルからテキストを選択し,丁寧に読み進めていくことで、ドイツ語の文法・語彙・発音等を確認しつつ、ドイツや広い意味でのドイツ語圏文化の理解を深めていきたいと思います。
五島 光子(ゴシマ ミツコ)
専門分野:看護情報学・看護管理学・母性看護学
令和3年10月に客員教員として就任しました。
私の専門とする分野の看護管理学は、看護学と経営学が統合されたものです。看護学は医学・心理学・社会心理学・社会学・文化人類学・比較文化論、経営学は心理学・社会心理学・社会学・文化人類学・比較文化論・政治学の学問領域が統合されています。このように、看護管理学を取り巻く学問領域は多くあります。また、看護情報学は、看護実践にともなうデータ、情報、および知識を管理し情報をやり取りする(コミュニケートする)ための看護学を基盤とし、コンピュータ技術および情報科学を統合する専門分野です。患者、看護者およびその他のケア提供者がそれぞれの役割やさまざまな状況の中で的確に意思決定を行えるように、看護のデータ、情報、および知識の統合を促すものです。
私は、看護管理者として、看護組織のロアーマネジメント・ミドルマネジメント・トップマネジメントを経験してきました。また、病院における総合医療情報システムの基幹システム(電子カルテシステム)とシームレスに連携する開発型看護情報支援システム構築に携わりました。データの一次・二次利用が可能となるように、看護管理支援、看護業務支援、看護過程支援、看護教育支援のカテゴリーを情報化しました。
今学期のセミナーではこれらの経験を踏まえ、組織論や看護実践記録である看護記録について、皆様と一緒に学習できればと思っております。
小川 陽子(オガワ ヨウコ)
専門分野:日本古典文学
私の専門は、日本の古典文学です。中でも、『源氏物語』をはじめとする平安・鎌倉時代ごろの作品が、どのように作られ、後の時代の人々にどのように受け止められてきたのか、というところに関心があります。放送大学では令和4年度に面接授業で『源氏物語』を扱いました。原文を読んだり、現代語訳を読み比べたり、絵画化されたものを見てみたりと、いろいろな角度から『源氏物語』というひとつの作品に迫ってみました。ご参加の皆さまからは、さまざまにご質問いただいたり、ご経験をお聞かせいただいたり、おかげさまでとても楽しく豊かなひとときでした。
古典は、アプローチ次第でさまざまな顔を見せてくれる、きわめて魅力的な存在です。セミナーでは『百人一首』を取り上げます。和歌と歌人、そしてそれらを取り巻くさまざまな時代の作品にも触れてみたいと考えています。和歌や古典がお好きな方、カルタという形で『百人一首』を楽しんでこられた方はもちろん、古典にはあまりなじみがないという方も、『百人一首』を入り口として、平安文学とそれを受け止めた作品たちの世界を味わってみませんか。豊穣な古典の世界へご一緒できるのを楽しみにしています。
田中 光宏(タナカ ミツヒロ)
専門分野:流体力学・応用数学・非線形科学
2019年3月に岐阜大学を退職して以来、岐阜学習センターの客員教員を務めています。岐阜大学では主に、工学基礎としての数学(微積分、線形代数、ベクトル解析、微分方程式、など)の授業を長年担当していました。専門は流体力学で、現在も、海の波に代表されるような流体中の波動現象を中心に研究を続けています。
着任以来、毎年「日常現象の中の数学と物理」と題するセミナーを開設し、高校までに学習する初等的な数学が、身のまわりの日常現象の中でどれほど重要な役割を果たしているかについて皆さんと一緒に学習してきました。今年度も同様の趣旨のセミナーを継続する予定です。また今年度は第1学期に「日常生活の中の高校数学」、第2学期に「多変数関数の微積分と物理法則」と題する面接授業も担当する予定です。
もしご興味がおありでしたらぜひご参加下さい。
長野 達也(ナガノ タツヤ)
専門分野:経済学(経済政策論・国際マクロ経済学)
令和4年(2022年)4月より岐阜学習センターの客員教員を務めています。専門は経済学の中でも経済政策論という分野になります。研究テーマは貿易摩擦問題です。
皆さんは、米国のトランプ前大統領がほぼ毎日のように「Fake news!(ウソのニュースだ!)」とSNS発信で発信していたのをご記憶でしょうか? 確かに、トランプ氏の発言も含めて、世の中には経済学的な観点でいえば、全くの間違いとしかいえないような議論が溢れています。それがただの床屋談議で終われば実害はありません。しかし、そういったいわば「トンデモ」説に基づいて政策が決定され、私たちの生活に無視できない影響を与えているとしたら、ただの笑い話では済みません。
間違った経済常識を正す試みとしては、ポール・クルグマン(Paul Krugman)氏の著作がよく知られています。ただ、「それは間違いだ」と指摘するだけでは間違いはなくなりません。場合によっては間違いを指摘された側が感情的に反発することもあるでしょう。経済問題についての間違った主張を減らすには、「なぜ、そういう間違いが広まるのか?」を考える必要があります。
経済学を「株や為替で儲ける方法についての学問」だと捉える誤解はさすがに少なくなりましたが、どんな学問分野でも世間一般の常識と専門家の常識とは大きく異なっていると思います。もし、世間常識であらゆる問題が片付くのなら、およそ学問は不要でしょう。しかし、それでは済まないからこそ、学問は必要であり、学ぶに値するといえます。皆さんにとってこの講座が興味深く「目からウロコが落ちる」体験となるようよう精一杯努めたいと考えています。
早川 享志(ハヤカワ タカシ)
専門分野:食品栄養学
令和2年3月末に岐阜大学を定年退職し、現在は、名古屋女子大学短期大学部・特任教授として食品系の教育に携わる一方で、放送大学客員教員としてセミナーを担当させて頂いております。
私の専門は「食品栄養学」ですが、セミナーでは食品を栄養のみならずいろいろな観点から取り上げて「食品・栄養・健康よもやま話」という題目で、その時々に関心のある内容をオムニバス形式で話をさせて頂いております。食品・栄養・健康をキーワードに関連した話題に触れながらセミナーを進める予定です。
令和4年3月段階では、食品衛生に関わる内容でセミナーをしております。最近は食の安全に関心が高まっており、規制値を超えた食品や、包装ミスの食品が廃棄されたとの報道があります。食品を無駄なく利用する観点からは廃棄は避けたいところです。外国の事例を紹介しつつ、どうしたら良いのかということもこの先お話ししたいと思います。よもやま話ですので、どこに話が飛ぶか分かりませんが、興味のある方は、受講頂ければと存じます。
セミナーはほぼ隔週水曜日午前中の開講です。
速水 悟(ハヤミズ サトル)
専門分野:メディア情報学
2021年より岐阜学習センターの客員教員を務めています。専門分野はメディア情報学です。20年近くつくばの国立研究所で音声認識の研究に従事しました。その後、岐阜大学では音声・言語・画像を中心に教育と研究を行ってきました。現在の本務先は知覚情報システム研究所です。
セミナーでは、企業の活動において人工知能技術を活用するために必要な知識とはどのようなものか解説します。その基礎として、データ分析と機械学習について、学習します。製造業における活用事例について、成功パターンと失敗パターンがどのようなものか議論したいと思います。また深層学習を中心として、最近の研究動向を紹介します。