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放送大学
新潟学習センター

所長ご挨拶

 2026年4月に就任した藤林紀枝と申します。専門分野は固体地球科学で、特に火山地質学および火成岩岩石学を専門としていますが、教育学部担当であったことから、地学教育の研究も行っています。

 女性の地質学者は多くありませんが、私はもともと自然が好きだったことから、北は北海道積丹半島から南は長崎県五島列島にかけての日本海側に分布する約1500〜300万年前頃の火成岩の野外調査を行い、岩石学・地球化学の手法で成因を論じてきました。これらの成因は、プレートテクトニクスの「背弧海盆」にあたる「日本海」の形成に関係し、改変を受けた起源マントルからのマグマの生成・上昇システムを通して形成された岩石です。岩石に含まれる微量元素の濃度や、ストロンチウムやネオジウムといった元素の同位体比を測定すると、日本海形成期を境に値の変化があることや、日本海を跨いで値に系統的な変化があります。これはマグマの起源となるマントルに不均一性や変動があることを意味します。また、現世海洋底研究の進展に伴い、新しい視点から火山岩の岩相を記載し直すと、海底火山の噴火様式と噴火〜堆積までの一連の過程を復元することができます。その結果、海洋底探査では解明しにくい溶岩や堆積物の前進する過程やそれらの遷移過程を、地層の研究から発信することができます。最近は、火星最大のオリンポス火山の地形から、それがかつて火山島だった可能性が示唆されており、もしそうだとしたら、将来火星でも日本海側に見られるのと似たような海底火山の溶岩や堆積物が見つかるかもしれません。

 私が放送大学の入学者の皆さんを羨ましく思うのは、さまざまなジャンルの専門家によって提供される豊富な授業科目から学べることです。専門学部の専門性を深める学びは、分野を掘り下げて考察していく楽しさがありますが、カリキュラム上、他の分野のことを学ぶ機会はあまり多くありません。一方、放送大学では広い知識を身につけることができます。この利点を活かして視座を高め、ぜひ地域・社会で活躍していただきたいと思います。

 ただ、遠隔で一人で学ぶのには強い意志、精神力を必要とするかもしれません。学習相談、勉強会、センター行事に積極的にご参加いただくとともに、学習スペースを気軽にご活用ください。新潟学習センターでは、学生同士や教職員との交流でより楽しく学ぶことができるよう、教職員一同皆様をお待ちしています。 

新潟学習センター所長
藤林紀枝

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