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放送大学
福岡学習センター・北九州サテライトスペース

所長ご挨拶

新緑の季節に寄せて 〜緑茶の色の科学〜

本年度新たに入学された皆様、改めましておめでとうございます。また、在学生の皆様、本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。新学期が始まり約1か月が経ちましたが、学習センターをうまく活用できているでしょうか。センター職員一同、皆様の学びを全力で支援してまいります。それぞれの学びが順調に進んでいることを心より願っております。

さて、今年度より本機関紙「おっしょい」は年2回の発行となりました。限られた紙面ではありますが、その分、重要な情報は学習センターおよび放送大学のウェブサイトを通じて随時発信してまいります。近年、放送大学では、BYOD(面接授業での個人パソコン活用)、キャッシュレス決済の導入、各種手続きのデジタル化、さらには学習センター閉所日2日制など、学習環境の大きな変革が進んでいます。これらの新しい仕組みを有効に活用するためにも、ぜひ日頃からウェブサイトを確認する習慣をつけていただければと思います。

本機関紙の挨拶では、これまで意識的に自然科学的な話題を取り上げてまいりました。放送大学では人文・社会系の科目を中心に履修される方も多い一方で、自然科学の視点を取り入れることにより、よりバランスのとれた教養が身につくと考えているからです。

立春から数えて八十八夜の頃に摘まれる新茶は、古くから縁起の良いものとされてきました。そこで今回は、この季節にふさわしく「お茶の色」を題材に取り上げたいと思います。日本茶、特に抹茶や煎茶はなぜ鮮やかな緑なのでしょうか。私たちはそれを当たり前のように感じていますが、実はこの緑色は、放っておくと失われてしまう繊細なものです。

緑色のもととなるのは、植物に含まれるクロロフィル(葉緑素)です。しかし、茶葉は摘み取られた後、そのままにしておくと内部の酵素の働きによってクロロフィルが分解され、酸素の存在下で緑色から茶色へと変化します。何もしなければ、緑茶の葉は緑ではなくなり茶色に変色してしまいます。

ここで重要になるのが、日本茶の製造における「加熱」の工程です。茶葉を早い段階で蒸すことで酵素の働きを止め、色の変化を防ぎます。その結果、クロロフィルが保たれ、私たちが見慣れた鮮やかな緑色が生まれるのです。言い換えれば、日本茶の緑は「自然に残った色」ではなく、「人の知恵によって守られた色」と言えるでしょう。

このように、身近なものも科学の視点から見直すことで、新たな発見が生まれます。日常の中にある「なぜ?」に目を向けることが、学びの第一歩です。ぜひ皆様も、自分の興味を広げながら、多様な分野に触れていただければと思います。

本年度も福岡学習センターは、皆様一人ひとりの学びを支える拠点として、より良い環境づくりに努めてまいります。皆様の学びが実り多きものとなることを心より願っております。

令和8年5月 福岡学習センター所長
久枝 良雄

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