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放送大学
東京文京学習センター

教員紹介

東京文京学習センターでは、所長以下、客員教員10名の計11名の教員が勤務しています。
     

熊野 純彦(くまの すみひこ)
学習センター所長/教授〔哲学、倫理学〕

 2023年4月より東京文京学習センターの所長を務めております。元来の専門は哲学・倫理学です。ただ私自身は、一つの問題を自分で考え抜いてゆくタイプの研究者ではなく、むしろ様々なテクストを読み解き、作者との対話を自分の中で重ねながら、その結果を翻訳や著書の形で発表してきました。対話の相手として選んできたのは、主に近現代のドイツ系の哲学者、たとえばカントやヘーゲル、またカッシーラーやハイデガー、現代フランスの哲学者、たとえばベルクソンやサルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナスといった人々です。他にもマルクスや近世日本の思想家(本居宣長など)、現代日本の文学者(三島由紀夫など)も対話の相手としています。そのような経験を学生の皆さんとの交流に少しでも活かし、学習することの喜びを共有したいと祈念しています。

小野塚 知二(おのづか ともじ)
客員教授〔歴史学・経済学〕

 わたくしの専門は経済学と歴史学の境界の経済史という研究領域です。20代から研究を続けているのは、イギリス近代(≒19世紀)と現代(≒20世紀)の労務管理・労使関係の歴史です。近現代産業社会で、最も多くの人が関わる人間関係が労務管理と労使関係ですが、その中でも集団的な労使関係・労務管理が生成し変容してきたさまを調べています。このほかに、第一次世界大戦の原因とその民衆的な要因、イギリス食文化・食糧史(近代イギリスは料理がまずくなったが、なぜ飢えなかったか)、野良猫のいる社会といない社会(現在の世界には野良猫のいる日本やイタリアのような国と、野良猫がほぼ消滅してしまったイギリスやドイツのような国がありますが、野良猫はなぜ、どのようにして消滅したのか、そのことは何を物語っているのかという問題)、国際武器移転史、原料革命と温暖化問題・人口減少の関連などについても研究を進めています。

河村 哲也(かわむら てつや)
客員教授〔情報科学・計算物理学〕

 私は専門は大くくりで言えば情報科学です。しかし、情報科学といっても範囲が広く、今はやりのAI やデータサイエンスではなく、計算科学、特に自然現象の数値シミュレーションをテーマに研究をしています。コンピュータは元来人間にとって退屈で間違いやすい加減乗除を正確に高速に計算する機械として生まれました。数値シミュレーションでは複雑な方程式を最終的に大規模な加減乗除に還元するため、コンピュータを本来の目的で使っているといえます。数値シミュレーションではコンピュータの中で種々の現象を モデル化して再現するため、種々の状況や環境をつくり出せます。こういった特長から、現在の科学技術を基礎から支えています。数値シミュレーションの仕組みや威力、便利さなどを皆さんに紹介できればと思って います。

小林 雅之(こばやし まさゆき)
客員教授〔教育社会学〕

 2020 年度より客員教授に就任いたしました。専門は、高等教育なかでも大学と学生の現状分析です。主に大学評価や学生調査やインスティテューショナル・リサーチ(IR)の研究をしています。私は、1993 年度から1998 年度まで、放送大学助教授(発達と教育)として、『世界の教育』『教育の政治経済学』などの放送科目を担当していました。その時は東京第三学習センター(現足立学習センター)の所属でした。現在は面接授業「教育機会と教育費負担」を担当しております。  ともに学ぶ仲間から多くのことを得られるのが放送大学の良さです。この度は新たに、東京文京学習センターの客員教授として、これまでの知見をいかしつつ、学生のみなさんの意見を聴きながら、ともに日々学習していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

杉山 温人(すぎやま はるひと)
客員教授〔呼吸器病学、アレルギー学、リウマチ学〕

 放送大学への入学おめでとうございます。 私は現在、COVID-19との戦いの最前線に立つ病院で院長職を勤めています。元々は、呼吸器内科医でアレルギーや間質性肺炎を専門にしてきました。皆さんが知りたいと思っている医学上の問題を分かりやすく説明していきたいと考えています。今はコロナ禍で大変な時期ではありますが、逆転の発想に立てば、対面など人との接触を控えなければいけない現状は、オンライン学習にとってはむしろ追い風とも言えます。いつかとは断言できませんが、コロナは必ず終息します。その日に備えて、学びを深めていきましょう。

永原 恵三(ながはら けいぞう)
客員教授〔音楽学、声楽〕

 私は音楽学という学問分野と、声楽(西洋音楽)という実践分野とを専門にしています。音楽学では私たちが普段接している様々な音楽を、人間の豊かな営みと捉え、クラシックも民族音楽もポップスも全て同等に大切な音楽と考えます。音楽は感性の世界だけがすべてはなく、むしろ思考として緻密に構築された音の世界です。音楽について考えることは人間の思考にとって大切なことです。他方、私は声楽も音声生理学に基づいて研究し、歌曲演奏と合唱指導をしています。気持ちだけで音楽はできません。楽譜をしっかりと読み込み、それを身体の活動に落とし込むことで、演奏者と聴き手の間に強いつながりができると考えます。音楽は知的な活動です。思考としての音楽は,私たち一人ひとりの身体から生み出されます。身体を十分に使って音楽をしたり考えたりする醍醐味を分かち合いましょう。

細谷 浩史(ほそや ひろし)
客員教授〔原生生物学、細胞生物学〕

 私達ヒトの体は数十兆個の「細胞」でできています。受精時は「1個」の細胞(卵)なのに、2個、4個と正確に分裂が進行していくメカニズムの全貌は今もって不明です。私は、ヒト子宮がん細胞(HeLa 細胞) やミドリゾウリムシ(単細胞の原生生物)を実験材料に、細胞の分裂機構解明を目指して研究を行っています。ミドリゾウリムシの体内には、クロレラに類似の共生藻が数百個共生しています。なぜ光合成を行える藻類が、行えない単細胞生物の中に、しかも数限定で共生しているのだろうか。なぜ数十、数千個ではなく数百個なのだろうか。藻類の分裂を制御しているメカニズムは何か?興味の種はつきません。皆様に、躍進する生命科学研究の一端をご紹介できたら幸いです。

丸山 純一(まるやま じゅんいち)
客員教授〔心理学〕

私の専門の心理学には実に多くの分野があり、著名な研究者も多数います。私が若い頃に興味を持ったものを挙げるだけでもその多様性が分かると思います。高校では精神医学者島崎敏樹、大学の教養課程ではモラトリアム人間論の小此木啓吾の精神分析、河合隼雄のユング派心理学、荻野恒一の現存在分析関係の本が印象に残っています。理学部で動物行動学を学んでいた時にアロンソンのThe social animalを偶然手にして社会心理学を志し、大学卒業後に心理学科に学士入学しましたが、ピアジェの認知発達、認知心理学、パーソナリティなどについても興味を持ちました。また、大学の先輩とストレスチェックを作り、美術大学に就職してからは視知覚についても学びを深めました。心理学には皆さんも興味を引かれる分野がきっとあるはずです。一緒に学びましょう。

梅谷 博之(うめたに ひろゆき)
客員准教授〔言語学〕

 モンゴル語の母語話者にインタビュー調査をしてデータを入手し、それを分析してモンゴル語の文法記述をしています。実際に調査を進めていく過程で、こちらの予想とは違う結果が得られることがあります(むしろ、予想通りになることの方が稀かもしれません)。予想とは大きく異なる結果に直面すると、なぜそうなるかが分からずに最初のうちは頭を抱えてしまいます。しかし、その理由が分かった時はとてもうれしく感じます。言語分析のこうした楽しさを皆さんと共有できればと思っています。

小又 志郎(こまた しろう)
客員准教授〔物理学〕

 物理学、特に素粒子論、場の理論、数理物理学の分野で研究を進めています。この世界の究極の構成要素は何か、それを支配する法則は何か、ということは古代から探究されてきた問題であり、素粒子に限らず多様なスケールの物理で問われるものです。また、そのような問題に取り組むために使われる数学的手法も、それ自体として多くの面白い問題を提供し、数理物理学として活発に研究が行われています。  難解そうに見える物理や数学ですが、基礎から一歩一歩着実に進んでいくことで理解を深めることができ、少しでも理解が進んだときの喜びは格別です。面接授業、自主ゼミ、学習相談などの機会に、ご一緒に勉強していきましょう。

小山 玲子(こやま れいこ)
客員准教授〔子ども学〕

 私は都内の公立保育園の園長、区役所保育課の係長として、保育施設を訪問し「保育の質の向上」を図るよう助言・指導を行ってきました。現在は保育者を目指す学生、現場で働く保育者に「乳児保育」「保育者の役割」「望ましい室内環境」等「保育で大切にしたいこと」を伝えています。子どもを取り巻く今日の問題は、少子化、核家族、共働き家族の増加、待機児童問題、保育環境、虐待、貧困問題、子どもの人権、子育て支援、スマホ育児、多文化との共生、保育の質等、たくさんあります。子どもたちの育ちを社会全体 で支援する必要があるといえます。これらの課題を皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

馬場 智理(ばば ともみち)
客員准教授〔哲学・倫理学〕

 哲学・倫理学を担当しております馬場です。 私は、現実世界における人間のあり方を探求する実存哲学を中心として、現代の倫理的問題を捉え直していくとこを主な研究テーマとしています。自然や人間の生き方を合理的に理解していく近代以来の方法が、現代のさまざまな場面で揺らいでいますが、偶然的世界に生きる人間観に基づくことで、他者や自然との関わりの新たな倫理を検討することに関心を持っています。東京文京学習センターでは、自主ゼミや学習相談などを通じて、みなさんの「学びたい」という気持ちと学問の世界をつなぐ橋渡しができればと思いま す。

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