青森学習センター

 

 

 

 

 

 

 

青森学習センターだより

正月休みの読書

 

定年前の大学で,アメリカの協定校からの来訪者に津軽塗りを贈ったことがある.その形がイチョウの葉をかたどったものであった.その植物の説明を求められて,非常に古い種で雌雄異株であるという説明ぐらいしかできなかった.その2点について詳しく述べてあるのが,ピーター・クレイン「イチョウ 奇跡の2億年史」である.青森学習センターの蔵書である. 

 

イチョウは2億年前に生まれた種で,動植物のなかでもっとも古い種といわれており,北半球全体に生育していた時もあった.その後,気候変動で中国の奥地にわずかに生育するのみとなったが,ヒトに崇められたり,利用されたりする中で,生育域を広げて,朝鮮半島を経て日本に伝わってきた.日本に渡来後,江戸時代長崎からオランダ人の手でヨーロッパに伝わり,現在では街路樹など世界各地で見られるようになった. 

 

英語でイチョウのことを,gingko (ギンコー) と書くが, 

ギンナン → 銀杏 → ギンキョウ(音読み) → ギンコー 

の変化で,明らかに日本語が起源の言葉だ.ただ,その変遷について微にいり細にいる研究があり驚かされる. 

 

この本には,青森県深浦の金ヶ沢の大イチョウについての言及があり,そのスケッチが部を分ける扉に載っている. 

「北金ヶ沢の大イチョウは,... 地元の人たちはこの木が世界一大きなイチョウだと信じているが,... 現在では,この木は日本で4番目に大きな木で,日本一大きなイチョウであることが認められている.... しかし,ヒトの活動により多くの環境が移り変わるこの世界において,世界記録より重要なのは地元民とこの木との結びつきの強さだ.地元民にとって,さらには自然を愛するすべての人にとって,この偉大なイチョウの木は不屈の力と永続する力を約束してくれるものなのである. 

 

人それぞれに興味のある部分を見出せる本だと思います.是非呼んでみてください.


 さらに,この本に謝辞が載っているイチョウの研究者長田敏行さんの「イチョウ 自然誌と文化史」は,放送大学の図書館でpdf版をオンラインで読むことができます. 

 

2017/1/6  倉又秀一(青森学習センター所長)

 

 

 

倉又所長の過去のお話しはこちらでご覧になれます。

 

辞書 Vol.1

辞書 Vol.1_倉又秀一.pdf

 

辞書 Vol.2

20151125 辞書 Vol.2_倉又秀一.pdf

 

学びについて思うこと

20161015 学びについて思うこと_倉又秀一.pdf

学びについて思うこと

  • 資料請求 (無料)
  • インターネット出願

PDFファイルの閲覧には
Adobe Reader」が必要です。